Microsoftはたった4秒のWindows Vista起動音を完成させるのに1年半をかけた。
心地良くフェードアウトするこのサウンドは、何百万ものコンピュータユーザーが毎日、 そしておそらく合計で何千回も、Microsoftの次期OSであるWindows Vista搭載コンピュータを起動する時に耳にすることになる。 これにふさわしい音―― クリーンでシンプル、かつMicrosoftのスティーブ・ボール氏の言葉を借りれば「あとを引く」音―― を作るために、同社はミュージシャンのロバート・フリップ氏を起用した。 却下された中にはもっと長くてテンポの速いクリップや、 短いテクノサウンドもあった。 手拍子が入ったアップビートなサウンドも好評だったが、 コマーシャル的過ぎるという理由で結局ボツになった。 ボール氏によれば、拍手の音はVistaの新しいグラフィックスと組み合わせるには人間的過ぎるという理由もあった。 「新しいWindowsのアニメーションに特にヒューマンな要素はない」と同氏。 最終的に選ばれた起動音は、「Win-dows Vis-ta!」という言葉のリズムをイメージしたもので、同OSのイントロ的役割を持たせたいというのがボール氏の考えだ。さらに、これを構成する4つの和音は、サウンドが鳴っている間に現れる新しいWindowsのグラフィックスの色をすべて表している。4秒という長さも偶然ではない。 Microsoftが過去1年半かけて完成させたVistaサウンドは全部で45本ある。新着メール受信、エラーメッセージ表示、コンピュータのログオフの際などに鳴る音だ。 全体として、Windows XPで聞き慣れた音に比べると抑制され耳障りにならないものになっている。 たった数秒のためにこれだけの手間をかけるのはやり過ぎとも思える。しかしMicrosoftの推計では、例えば新着メールの音などは今後何年にもわたり何兆回も再生される。うっとうしく耳障りになる可能性も大きいが、もしうまくやれば、世界中のコンピュタユーザーを楽しませ、和ませるかもしれない。 特に気を配ったのは、時間が経つにつれこの起動音が耳障りにならないようにという点だ。 「初めて聞いた時に気に入ってもらえるサウンドが望ましいが、同時に『10回、100回、1000回聴いても好かれるものがいい』という逆説的な考え方をした」(ボール氏) クリップ選びに1年半という時間があって良かったと同氏が考える1つの理由はこれだ。 「われわれには音楽と向き合う時間があった」とボール氏。 サウンドにこれだけ時間をかけたにもかかわらず、成功の尺度はユーザーがそれにほとんど気づかないことだとボール氏は言う。 過去のWindowsの大げさなサウンドは、耳障りで近くで作業する人の邪魔になったり、会議の妨げになる可能性もあると、ボール氏は初めて認めた。携帯電話や携帯端末といったガジェットのやかましい音は増える一方であり、ボール氏らがVistaで避けようと腐心したのもこの点だった。 「それがここにあることを知ってもらい、なくなったら寂しいと感じてほしいが、同時にほとんど気づかない存在でいてもらいたい。ほとんど環境の一部、あるいは壁紙の一部のように。前面に出るのではなく、背景にいてほしいと思う」。ボール氏はこう語った。 ========================== Allison Linn,The Associated Pressより抜粋
by arita-arita
| 2006-11-13 18:24
| 新商品とか新サービスとか
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